今の時代、日常生活でも仕事でも何かを計算するときにあまり暗算をすることは無くなったのではなかろうか。
めちゃくちゃ簡単な計算でない限り、電卓を用いて計算することが当たり前になってきているように感じる。誰もがスマホを持つ時代となり、基本的に電卓機能が標準で入っているから、何か計算をするときは大体電卓を使うということに慣れている。
いや、慣れすぎているのかもしれない。

電卓を使うことに慣れすぎて、逆に暗算をするという行為はほぼやらなくなってきた。
それが果たして"良い"事なのか。
例えば、60+80=140なら
これくらいなら流石に暗算でもすぐなので、パパッと計算を済ませちゃう。
じゃあ、63+88=151なら
これもちょっと考えるだけなので、まだ暗算で済ますことが多い。
だが、63+88+43=194なら
これくらいの計算はもちろん簡単だし、小学生レベルの計算だからなんて事はない。ただ、考える時間が少しある。だが、わしはこれが面倒くさいから電卓を使っちゃおうという感覚になっているのである。もしくは、少しの不安があるから念のために電卓で計算してしまう節がある。
それはおそらく、万が一で計算ミスをしているかもしれないという不安があるからだ。仮にモノとして電卓を持っているとしたら、取り出してわざわざ入力することはないだろうが、スマホに電卓機能がある以上、そっちで計算しちゃったほうが正直楽だし、確実である。だからスマホの電卓に慣れてしまうと、比較的簡単な計算でさえ電卓をすぐに使うというのが習慣になる。
それが何だかとても虚しい。
学生の頃は電卓なんて使わずに、頑張って算数や数学の問題を解いていたのに、大人になると暗算が必要な機会はほとんど無い。暗算をしなきゃいけない機会というのは、クイズ番組や何かの試験を受ける時や数学が関連する学術者が用いる時くらいのイメージだ。フラッシュ暗算という特技もあったりする。
だが、普段の日常生活で暗算でなきゃいけないことなんてやっぱりほとんど無い。だから、電卓を使う。
逆に電卓を使わないデメリットというと1つだろう。計算力が落ちるということだ。確かにこれは能力の観点で言えばデメリットになるが、実際の生活の中でめちゃくちゃ困るわけではない。極論を言えば、全く暗算ができなくても、計算の仕方と電卓の使い方さえ分かっていれば日常に支障をきたさないわけだ。スマホが壊れたりしなければだが。
とにもかくにも、それくらい暗算という能力が日常で必要のない状態になってきている事は確か。
でもやっぱり、それなりの計算を暗算でできなくなるというのは、妙にダサい。
それで日常生活で困ることがあるかと言われればYESとは言わないが、"人間の頭で考えて計算する"ことは自分の中に残しておきたい。これはメリットやデメリットの部分ではなく、そういう人間でありたいかありたくないかの感覚の部分である。
数十年後に計算が苦手なダサい人にならないように、暗算を怠らないようにしようと思う。